生きづらさを感じているあなたへ~障がい者・引きこもり・不登校支援~『本音を見抜く』

【『ぶっ殺してやりたい』…に隠れてたもの】
昨日は寮生の子たちと面談をしました。
それぞれの今思ってることや、
これからのことをいろいろと話しました。
その中で、とある子が
『ぶっ殺してやりたいと思ってました。』
と言いました。
この子はお母さんとの関係があまりよくありません。
お母さんのことをぶっ殺してやりたいと思ってたと言います。
彼には弟がいます。
その弟くんには知的障がいがあります。
弟が生まれてから特にお母さんの気持ちや時間は
全部、弟の方に行ったそうです。
しょうがないと思います。
やはり手はかかるでしょうし、単純に接する時間や
話す時間などもお兄ちゃんはガマンしなくては
いけなかったことが多かったと思います。
おそらくお母さんもストレスがたまってたんでしょう。
お兄ちゃんはいつも自分の気持ちに蓋をして
お母さん今日は機嫌悪くないかな?
お母さん今日は怒ってないかな?
と、気を使いながら生きてきました。
そして大きくなり、自分が周りの人とうまく
コミュニケーションをとれず一人ぼっちになったとき
『なんでおれはこうなったんだ』
の原因が、
自分→親→母親
とシフトしていきました。
そしてその感情は
『クソッ、ぶっ殺してやる!』
になりました。
今、出てきた登場人物の中で悪い人はひとりもいません。
もちろん親に対して『ぶっ殺す』なんて
絶対にいけないことですが、
彼がこんな気持ちになるのは十分に理解できます。
愛はときに捻じ曲がると憎しみに変わります。
彼の口から出てくるお母さんの話は恨み節ばかりでした。
『じゃあさ、そんな気持ち抱えたままじゃ
前にも進めんやろうから、蓋したままのお前の感情を
思いっきりお母さんにぶつけに行くか?』
というと、彼は
『…そうしたいです。』
と言いました。
『でも一つ付け加えるぞ。
今回の目的はお前がきちんと前に向かって進むための
土台作りをしに行くんだからね。
お母さんに感情ぶちまけて「あ~スッキリした」ではダメ。
感情で人を傷つけるんじゃなくてしっかり伝える。
そして全部ぶつけた後はしっかりハグして帰ってくる。
この案どうだ?』
そういうと彼なんと言ったと思います?
僕はその答えを聞いて『え!?』と驚いたのと、
なんかうれしくなって笑っちゃいました。
『…
 ……
 ………ハグじゃなくて膝枕がいいです。』
えーー!なにそれーーー(笑)。
ぶっ殺すって言ってたやん。
憎くて憎くてしょうがないって言ってたやん。
おれの人生めちゃくちゃにしたんだから
お前の人生もめちゃくちゃにしたる!
って言ってたやん。
そして、すっっごく恥ずかしそうに、
『…本当はその後ほっぺにチュウもしてほしいです。』
と言ってました。
これ彼の本音だと思います。
『愛されたい、愛してほしい』
が隠れていました。
本人も自分で言っててビックリしてたので
たぶん自分でも気づいてなかったんだと思います。
『お母さん、僕のことも愛してください』
その一言を遠慮して言えなかったんです。
『…こんなこと言う僕は気持ち悪いですよね?』
なんでよ?
気持ち悪いなんて言うやつがいたらおれがそいつ
ブッ飛ばしに行くわ。
『お母さんから愛されたい』人としての当たり前の気持ちだぞ。
気持ち悪いわけがないだろう。
その気持ちに蓋したらいけない。
ちゃんとそのことを伝えに行こう。
大丈夫、お父さんもお母さんもちゃんと受け止めてくれる。
そんなこんなで今度、一緒に会いに行くことになりました。
会いに行って彼の何が一番大きく変わるかなぁと想像すると、
自分の中に両親という最強の味方ができた!
と彼が感じるだろうなぁと思ってます。
何があってもお父さんとお母さんだけは僕の味方だ、
という気持ちを持てると、それがそのまま自信になります。
僕は性善説の人間です。
人の根本は『善』だと思います。
人が何か行動を起こす『意図』は、
最初は絶対『よかれと思って』だと思ってます。
とちゅうですれ違いや行き違いがあって
ときどき捻じ曲がっていくんですね。
さて、どんなドラマが待ち受けているでしょうか。。。
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